Go to Top

伝説のスタートアップ ジェネラル・マジック 

IMG_7238

2018年7月26日、サンノゼの映画館で開催された、ジェネラル・マジックというスタートアップのドキュメンタリーの試写会に招待されました(これについてブログを書こう書こうと思っているうちにあっという間に時間が経ってしまい反省中)。

観終わった後いろんな思いが交錯して胸熱になったのだけど、それはなぜかというと、まず第一に私自身のシリコンバレーの原体験と強く結びついているからに他ならない。日本にいた頃シリコンバレーを知ってそこに惹かれるようになったのだけど、それはなぜかと考えた時、兎にも角にもシリコンバレーのもっているカウンター・カルチャーをベースにした強烈に自由な空気感だったと思う。そして、ジェネラルマジックというスタートアップがそれを最も端的に体現していたスタートアップなのだと、シリコンバレーへの関わりが増える中で学んでいった。あと、これは偶然なのだが、私の知り合いがこのスタートアップで一時期働いていて、当時のエピソードなどを話してくれたりしたこともあった。そうやって人から話を聞いたり、メディアなどからの情報が蓄積されて、自分なりのジェネラルマジック像ができあがってはいた。 というのがまず前提。

IMG_7243

そして今回の映画で、当時の社員のインタビューなどがふんだんに盛り込まれた(写真・ビデオを含めてよく撮影していたなというぐらい結構たくさんでてくる)同社のリアルな姿を目の当たりにしたのだが、短期間で成功と失敗、栄光と裏切り・挫折の間を走り抜けて華々しく砕け散った様がものすごく生々しく描かれていて、見終わった後、映画からの圧倒的な情報量や自分の感情(物凄いものをみたという興奮と、アメリカのビジネスのダークサイドへの嫌悪感、そしてどれだけのメンツを揃えても・どうがんばっても時には運命のいたずら?にはどうにもできないというようなやるせなさ)が頭の中で渦巻いていて、咀嚼するのにしばらく時間がかかったのでした。

ちなみに、今回の試写会に招かれたのは当時の社員やその家族が多く、映画の後は主要メンバーのトークセッションがあり、会場は一種異様な熱気と、同じルーツを持つもの同士が醸し出す暖かな雰囲気が同時に醸し出されていたわけです。

映画上映前の会場の様子。マークポラックが談笑しているのが写っている

映画上映前の会場の様子。マークポラックが談笑しているのが写っている

+++++

まず多くの人にとってジェネラル・マジックという社名は初耳だと思うので、その概要を。このスタートアップはハンドヘルド(携帯)デバイスをiPhoneに先駆け1990年に創業、”最も重要な失敗した企業”といわれている伝説のスタートアップです。https://en.wikipedia.org/wiki/General_Magic

とにかくコアメンバーが濃い。

CEOマーク・ポラック。映画の中、当時の彼はシリコンバレーのスタートアップ関係者としては珍しく? 見た目が割と洗練されていて(ギーク系のキタナ?系ファッションではなく)話も軽妙洒脱なスマートさが際立った洒落者といったかんじ。 この試写会で目の前にいるポラックは当時の華はすっかりなくなっていたのだが、かわりに挫折や失敗を経験することで得られる、寛容性のようなものがにじみ出ていた。

トニー・ファデル。のちにiPodの主要開発メンバーとなり、のちにNestのCEOとなった。この映画では、当時学生だった彼がどうにかしてGM社を見つけ出し何十回も同社に電話をかけ続け、力ずくでインターンの仕事をゲットするエピソードが出てくる。エキセントリックな見た目(かなりやばい)や言動のインパクトも大きく、この映画でも一番存在感がある。

ミーガン・スミス。映画の中の彼女はにこにこしてかわいい感じなんだけど、やってることが本当に時代の先をいっていて、アイコンを並べたUI/UXをにこにこしながらインタビュアーに説明しているショットがいくつもでてくる。彼女はのちにGoogle副社長、からの米国連邦政府のCTO経験者 (この映画で、あのITジャーナリストのカーラ・スウィッシャーのパートナーだったというのを初めて知った!)。

それ以外にもアンディ・ルービンら文字通りスター・エンジニアが何人も登場。

General Magicのコアメンバー

General Magicのコアメンバー

オフィスの様子

同社がうまく回っていて上昇フェーズにあった時の、キラ星スターエンジニア達の働きぶりを撮影したショットがたくさん出てくるのだが、これがもうたまらなくかっこいい。 溢れるばかりの熱量が画面から伝わってくる。マークポラックの自信に溢れた明るいリーダーシップ、納期に間に合わせようと一丸となって製品開発に精力的に取り組むエンジニアチーム、通路で自然発生的にあついディスカッションが始まってそれが周りに派生していく様。。 この辺りは、ぜひ映画を見て感じ取っていただきたいところ。

Lessons to be learned

プロダクトの洗練度は今見ても全く遜色ない、というか今でも問題なく売れるレベル。ただ当時の通信速度はこのガジェットを売り出すには遅すぎた。スタートアップで一番大事なのはタイミングというが、その盲点がなかったら、同社の辿った運命は全く違っていたことは間違いない。

あとこの映画をみて目を引いたのが、SonyやPanasonicが同社の重要なパートナーとして登場していたこと。Sonyの大賀氏は、プロトタイプを一目見て事業提携を即決したという。 そういえば日本家電メーカーがシリコンバレーに影響をあたえていた頃があったのを思い出した。。

創業から世間の注目を浴び続け、浮き沈みの激しい類い稀な経験を一緒にした運命共同体。そういった喜びも苦しみも一緒に味わった者同士だけが築くことのできる信頼関係。最後のトークセッションで、ミーガン・スミスの発言が心に残った。 ”ジェネラルマジックで働いて良かったところ?それは人がみんなやさしかったところよ。お互い助け合って一つの目的に向かって進んでいった経験はなにものにも変えがたいものだった”

映画上映のあとの、コアメンバーによる座談会

映画上映のあとの、コアメンバーによる座談会

+++++

日本で上映されるかどうかはわかりませんが、ネットなどで見つけたら、ぜひみてみてほしい映画です。そこにはシリコンバレーの魂・エッセンスが凝縮されています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

次のHTML タグと属性が使えます: <a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong>

Visit Us On TwitterVisit Us On Facebook